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えにっき

はてぶ再編3回目

このまえのにっき

この前、高校同期に会った。
東銀座の古い喫茶店で待ち合わせて、ふわふわとしたオムライスをふたつ机に並べたりなんかして、思い出深い彼女の特徴的なたれ目をそっと見た。

何を話したのだったかな。
最近物忘れが酷くて、この前のことなのに内容は忘れてしまったのだけれど、彼女の目を見ていると古い記憶の扉の施錠が解かれて、頭を振ると、この4年間全く思い出さなかった過去のエピソードが物理的にボロボロと落ちた。単純に自分の頭の仕組みに驚く。彼女も私の変な記憶たちに若干驚いていた。掃除していない鞄みたい。


ほわっとしたミルク味の卵を雑に突いて、思い出の屑を二人で眺める。多分生クリーム配合。
記憶は不思議なもので、文字や映像のようなデータとしてのエピソード以上に、過去の私の当時の身体の感覚を纏わせた。なんだか私がダブって見える。その感覚が心地よい。
鋭くって高飛車で挑戦的だった当時の感覚が生き返って、ふとこの数年で私が感じた世間の欺瞞というか嘔吐感のような何かを彼女にも悟って欲しくなった。


「ねぇ。私、院進して研究みたいなことをして、教授に応援されて成果出したり、どこか就職してお金を貰いにいく訳だけど、本当は興味ないの。本当はわたしこの2年間で芥川賞が欲しいのよ。わかる?」

ジョークなので真面目な顔で言わせていただいた。

しかし彼女は目を見開いて
「あの君が!ふざけたことをしている私たちを「あなたたち、何をやっているの?」って呆れて上から見ていた君が、変なこと言っているというか、私たち側になっている...当時の君に聞かせて差し上げたいわ。今日話していて感じたけれど、君変ったよ。」

と言い、スマホで私のシケたジョークのメモを取りはじめた。
どうやら澄まし顔が印象的で私以上に冷ややかな目線を差していた同級生のTにそのメモを見せるらしい。

ええええ。Tに見せるの。
彼女から見えているらしい当時の私の尊厳を傷つけるのも悪い気がして「そうね、当時の私はこう刃物みたいに鋭くて強かったね」と話を合わせながら、「面白くって楽しくて変だった君たちがいなくて僕は寂しいよ」って心の中でつぶやいた。


でも私の記憶だと、当時の私も「将来お金持ちになって君を養ってあげるよ」*1ぐらいの冗談は言っていた気がするし、その感覚を再現してみただけなんだけどなぁ。忘れられたか。まぁいいや。


もしかしたら彼女も、あの頃は溢れかえっていたはずのこの系統の冗談が真新しく見えるほどに、物足りなさの嘔吐を感じているのかもしれない。わからないけれど。


P.S.
短くてもいいから、もう少しいい感じの頻度でブログを書きたいお気持ち。

P.S.のP.S.
サークルのにいる間はこういう不満足を感じずに済んだ気がする。高校の時摂取していたものとは、また別ジャンルの食べ物だった気もするけれど。
膨大な量のジョークをいただけてありがたかったな。先輩も同期も後輩も。流石にそろそろ通しに行きたい👀

*1:彼女は私の机にオススメの本や漫画を積んでくれることがあったので、彼女を養ってその行為にお金を出すのも悪くないなと思ったため。桜庭一樹の『荒野』は今でもシーンとして中身が残っている。